韓国の市場を歩いていると、湯気の向こうに見慣れない食べ物が並んでいることがあります。黒っぽい円筒形のもの、それがスンデ(순대)です。
「血のソーセージ」と聞いて、ちょっと引いてしまうかもしれません。正直、私も最初はそうでした。でも、韓国人の友人に「とりあえず一口だけ」と言われて食べてみたら — もちもちした春雨の食感と、じんわり広がる旨味に驚きました。気がつけば、もう一切れ、もう一切れ。

材料・カロリー
豚の腸に春雨(タンミョン)、豚の血、もち米、野菜を詰めて蒸します。1皿約200〜300 kcal。塩コショウにつけるのが基本ですが、トッポッキの甘辛ソースにディップするのが韓国人の裏ワザです。
由来
ご存知でしたか? スンデは高麗時代から食べられている韓国の伝統食です。ヨーロッパにもブーダンノワール、ドイツにもブルートヴルストがありますが、韓国版の特別なところは中に入っている春雨。さつまいもでんぷんから作るもちもちの春雨が、他のどの国の血のソーセージとも違う食感を生み出しています。
種類
クラシックスンデ
どこの市場でも出会える基本形。切り分けられたスンデを塩コショウにつけて。シンプルだけど、これが一番ハマります。
アバイスンデ
咸鏡道(ハムギョンド)の郷土料理。普通のスンデより大きくて、もち米がたっぷり入っていて、さらにもちもち。見かけたらラッキーです。
イカスンデ(오징어순대)
腸の代わりにイカの中にスンデの具を詰めた、海沿いの町で生まれたバリエーション。さっぱりしていて食べやすい。
スンデポックム(순대볶음)
辛いソースで野菜と一緒に炒めたもの。おやつから一気に食事レベルに格上げ。ご飯が欲しくなります。
スンデグク(순대국)
温かいスンデスープ。冬の寒い日にこれを食べると、体の芯から温まります。韓国のおじさんたちの朝ごはんの定番。
どこで食べられる?
トッポッキとティギムがある場所なら、スンデもあります。最も有名なのはソウルのシルリムドン(新林洞)スンデタウン — スンデ専門店が軒を連ねる、まさにスンデの聖地。1皿3,000〜5,000ウォン(約330〜550円)。日本のラーメン一杯より安くて、満足感は負けません。
日本人へのアドバイス
日本にはあまり馴染みのない食べ物なので、最初は戸惑うかもしれません。でも、考えてみてください — 日本人だって、外国人が「生の魚を食べるの?」と驚くお寿司を当たり前に楽しんでいますよね。スンデも同じ。先入観を捨てて、まずは塩コショウで一切れ。あのもちもち食感を体験したら、きっと「もう一つ」と手が伸びるはずです。
まとめ — 三種の神器を揃えよう
トッポッキ、ティギム、スンデ — この三種の神器を揃えてこそ、韓国の分食店(プンシクチョム)の醍醐味を味わえます。次に韓国の市場を訪れたら、ぜひ勇気を出してスンデを一皿。あの塩コショウで食べる一口が、韓国旅行の忘れられない思い出になるかもしれませんよ。
